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近藤 昌也; 中村 秀夫; 安濃田 良成; 最首 貞典*; 小幡 宏幸*; 島田 ルミ*; 川村 慎一*
Proceedings of 10th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 10) (CD-ROM), 9 Pages, 2002/00
横型熱交換器を用いた静的格納容器冷却系(PCCS)が検討されている。横型熱交換器の伝熱特性評価のため、水平単一U字伝熱管を用いた実験を行った。実験の結果、伝熱管入口端付近の環状流の局所熱伝達率を既存のモデルが過小評価する傾向があることがわかった。また、同時に行った可視化実験(伝熱管の一部区間に可視窓を取り付け、高速度ビデオを用いて行った)から、環状流の液膜表面に多数の巻波が存在することを確認した。そこで、巻波が液膜を撹拌、伝熱を促進するとの仮定の下に、局所熱伝達率を巻波の時間あたりの通過頻度に対して整理したところ、両者の間には強い相関関係があることを見出し、仮定を裏付けた。さらに、この相関関係を基に、液膜の通過頻度を考慮した、水平管内環状流凝縮熱伝達率を与えるモデルを提案した。
新井 健司*; 栗田 智久*; 中丸 幹英*; 藤木 保伸*; 中村 秀夫; 近藤 昌也; 小幡 宏幸*; 島田 ルミ*; 山口 献*
Proceedings of 10th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 10) (CD-ROM), 7 Pages, 2002/00
次世代型BWR格納容器の過圧破損を防ぐ静的格納容器冷却系(PCCS)横型熱交換器の総合性能の確認を目的として、13年度から大型モデル試験を行っている。この大型モデル試験の開始に先立ち、TRACコードの3次元炉心モジュールに改造を施した多次元二相流コードを用いてPCCS熱交換器2次側のボイド率分布及び1次側の熱交換器伝熱管間の流量配分を求めた。この結果、除熱性能と圧力損失の双方で要求性能を満たすこと、膜沸騰が生じないこと、上部管束と下部管束との間からかなりの2次側冷却水の流入があること,除熱管間の流量配分が各管の除熱量に依存することなどを予測した。
大貫 晃; 中村 秀夫; 安濃田 良成; 小幡 宏幸*; 最首 貞典*
Proceedings of 9th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-9) (CD-ROM), 10 Pages, 2001/00
BWRの静的格納容器冷却系(PCCS)として横型熱交換器を用いることが検討されている。横型PCCSの除熱性能を規定するものの一つに2次側水プール内での熱伝達特性がある。熱流束の高い領域では沸騰と凝縮が混在し、二相自然循環による流量の増加や流れの変動による熱伝達の増大が想定できる反面、伝熱管のある領域が蒸気のみで覆われ、熱流束が低下する蒸気ブランケット効果の懸念もある。本報では、多次元二流体モデルコードACE-3Dにより2次側水プール内の熱流動特性を評価した。解析の結果、定常的に蒸気で覆われる領域はなく、核沸騰の効果や局所流量の増加により熱伝達は増大することがわかった。
中村 秀夫; 安濃田 良成; 田畑 広明*; 小幡 宏幸*; 新井 健司*; 栗田 智久*
JAERI-Conf 2000-015, p.177 - 184, 2000/11
横型熱交換器を用いた静的格納容器冷却系(PCCS)は、水平管内での非凝縮性ガスを含む凝縮伝熱流動に関する研究が少ないため、除熱性能の評価を十分行えない。そこで、横型PCCSの除熱性能評価に必要なデータを取得して凝縮伝熱モデルを作成するため、単一の水平U字管(伝熱長約8m、口径19, 32, 43mmの3体)を用いた管内凝縮の基礎伝熱試験を行う。発生する現象を予測するため、三菱による伝熱劣化の実験相関式をRELAP5/MOD3.2コードに導入し、32mm口径管でU字面が水平の場合につき、予備解析を行った。用いた相関式は条件を外挿適用しており、計算された流動様式もおおむね分離流と解析上の課題は残されたが、小さな出入口間差圧でもPCCSに要求される凝縮伝熱流動(ガス排気、凝縮水の排水を含む)を得る可能性があることが確認された。
大貫 晃; 中村 秀夫; 安濃田 良成
第7回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集 (00-11), p.258 - 263, 2000/00
BWRの静的格納容器冷却系(PCCS)として横型熱交換器を用いることが検討されている。横型PCCSの除熱性能を規定するものの一つに2次側水プール内での熱伝達特性がある。特に伝熱管の熱流束の高い領域では蒸気で覆われ、熱流束が低下する蒸気ブランケット効果が懸念された。本報では、原研で開発した多次元二相流モデルコードACE-3Dにより2次側水プール内の熱流動解析を行い、蒸気ブランケット効果の影響を評価した。解析に先立ち、乱流プラントル数を水プール中での蒸気噴流の実験データにより最適化した。解析の結果、定常的に蒸気で覆われる領域はなく、蒸気ブランケット効果による伝熱管熱流束の極端な低下は起こらないことがわかった。
近藤 昌也; 大谷 悦男*; 中村 秀夫; 浅香 英明*; 安濃田 良成
Proceedings of 2nd Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-2), p.344 - 350, 2000/00
並列伝熱管を有する横型熱交換機の熱水力挙動をRELAP5/Mod3.2コードを用いて計算した。計算は、異なる2次側条件を持つ2本の並列伝熱管を用いて行った。すなわち、飽和熱交換器上部の伝熱管を模擬した二相流を2次側に有する伝熱管と、熱交換器下部の伝熱管を模擬したサブクール水を2次側に有する伝熱管とを並列としたモデルを用いて行った。計算の結果、この2次側条件の相違は、冷却能力の高い伝熱管により多くのガスが流入するという不均一な伝熱管流量配分を引き起こしたが、流量の振動など流動の不安定性を招くことはなかった。また、ガスに含まれる非凝縮性ガスについては、2次側条件が変わらない限り、伝熱管流量配分にほんど影響しなかった。この結果、計算の対象とした横型熱交換器は極端な2次側条件下であっても安定した状態で十分な除熱能力を示すことを確認した。
中村 秀夫; 近藤 昌也; 浅香 英明; 安濃田 良成; 田畑 広明*; 小幡 宏幸*
Proceedings of 2nd Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-2), p.336 - 343, 2000/00
横型熱交換器を用いた静的格納容器冷却系(PCCS)の性能評価に必要なデータを得るため、単一の水平U字管を用いた管内凝縮伝熱の基礎試験を(株)日本原子力発電との研究協力で行った。口径32mm、伝熱長8mの試験体を用いた基準流動条件(圧力: 7気圧、入口蒸気流量: 1%崩壊熱出力相当、非凝縮性ガス分圧: 1%)での試験等から、高いガス分圧(20%)でも良好な除熱性能が得られることや圧力損失、排気、排水の各特性でも良好な結果を得て、横型熱交換器のPCCSへの適用性を確認した。RELAP5/MOD3コードを用いた実験後解析では、オリジナルコードが凝縮伝熱を過小評価したため、基礎伝熱試験をもとに選定した凝縮伝熱やガスによる伝熱劣化のモデル群を組み込むとともに、凝縮終了後の伝熱管内ガス停滞挙動を表現するノード法の考案等で、実験を良好に予測するコード改良ができた。今後、計画中の多次元流動に着目した大型モデル試験の解析を行うとともに、実機での各種過渡におけるPCCS挙動を予測・評価する。